一緒に食べると良い食材の組み合わせや、逆に良くない食べ合わせについて質問されることがあります。“たんぱく質と炭水化物を同時に食べなければ痩せることができる”という噂については、虚偽であることが10年ほど前に発表された論文で証明されています。一方で近年では、食材を単体で食べるよりも合わせて食べた方が栄養の吸収率が上がるというフードシナジーやフードペアリングと呼ばれる考え方も出てきています。栄養価的に1+1が3になるという訳です。

カラフルな野菜×脂質を少々
多くの果物や野菜にはカロテノイドという物質が含まれています。この物質にはトマトやほうれん草の濃い色を出す自然の色素のリコピン、ベータカロテン、ルテインが含まれています。カロテノイドは体内で抗酸化物質として働くので、果物や野菜を普段の食生活に取り入れることが大切です。この物質は脂溶性、つまり少しの脂質と一緒に摂ることでより多く吸収することができます。ですから、例えばサラダにアボカドやオリーブオイルのような良質な脂質を加えることで、ロメインレタス、人参、トマトに含まれるカロテノイドの吸収率をアップさせることができます。

鉄分を含む食材×ビタミンCを含む食材
食材に含まれる鉄分は二通りあります。一つは魚や、肉、鶏肉などに含まれるヘム鉄と呼ばれる鉄分で、もう一方の非ヘム鉄と呼ばれる鉄分よりも吸収されやすい性質のものです。非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップします。オレンジ1個、トマト1個に含まれる程度の少量のビタミンCで非ヘム鉄の吸収率を3倍にもアップさせることができるので、チリビーンズに入っているトマトが豆に含まれる鉄分の吸収率を上げてくれます。その他、いちごとシリアル、ほうれん草サラダとオレンジやグレープフルーツの組み合わせでも食材に含まれる鉄分の吸収率が上がります。

レモン×緑茶
緑茶のフィトニュートリエントには、カテキンと呼ばれる自然の抗酸化物質が含まれており体内の細胞と組織を酸化から守ってくれます。緑茶にレモンを加えるとビタミンCが吸収率を上げてくれます。緑茶にレモンを入れたくない場合は、オレンジスライスやベリー等ビタミンCが豊富なフルーツと組み合わせると良いでしょう。

ビタミンD×牛乳
ビタミンDが追加されている牛乳(アメリカで販売されている牛乳はほとんどがそうですが)を飲むと、カルシウムの吸収が良くなります。

魚×緑の野菜
ビタミンDと牛乳の他にも素晴らしいペアリングがあります。それは魚と野菜です。サーモンやサバのように脂質が多い魚はビタミンDが豊富で、それにかぶ、高菜、ケール等のカルシウムが豊富な葉野菜を組み合わせるとカルシウムの吸収率がアップします。

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スーザン・ボワーマン
ハーバライフの栄養トレーニングのディレクター。管理栄養士であり、スポーツ栄養学を専門とした有資格者。