先日ある友人がスイカがおいしかったのでたくさん食べてしまい、後から食べ過ぎたのではないかと心配になったと話してきました。実際のところ体に良い物でも食べ過ぎには気をつけるべきなのでしょうか?

特に果物に関してこの手の質問をよく受けますが、内容によって答えは"はい"と"いいえ"の両方になり得ます。果物に含まれる糖質についてであれば心配には及ばないでしょう。確かに果物には糖質が含まれており甘いですが、同時にビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化物質として働くフィトニュートリエントも含まれていますし、おそらく想像しているほどの糖質を摂っていることにはならないでしょう。ミディアムサイズのソフトドリンクに含まれる糖質と同等の量を得るには、大きなスイカを1/4個食べる必要があり結構な量です。

ある特定のビタミンやミネラルの摂り過ぎになるのではと心配している場合も大丈夫です。人間の体は様々な食品を摂るように作られています。様々な種類の自然由来の食品を含め全体的にバランスが取れていれば、特定のビタミンやミネラルを摂り過ぎるということはないですし、実際のところ摂り過ぎになるような量は食べられないでしょう。

一方でヘルシーな食品を食べることに関して、「体に良いのだから、たくさん食べればさらに良いだろう」と考えてしまう人もいます。ある特定の栄養素を摂り過ぎる可能性は低いですが、カロリーの摂り過ぎは十分にあり得ます。この場合は冒頭の質問に対する答えは"はい"となり、ヘルシーな食品でも食べ過ぎには注意が必要です。

こうした状況には数えきれないほど遭遇していますが、実際のところ「ヘルシーな食事をしているのに体重が減らず納得がいかない」とこぼす人は、通常のポテトチップスをファットフリーのポテトチップスに変えたと豪語しながら1袋全部食べてしまっている事実に気がついていないことが多いです。

食べ過ぎによって”ヘルシー”または”低カロリー”とされる食品から大量のカロリーを摂取した人もいましたし、大量の瓶詰のピクルスや1日で200kcalを超える量のブレスミントを食べてしまう人もいました。ポテトチップスを食べたい欲求を満たすためにファットフリーの調理していない乾燥パスタを1日で約450kcal分食べてしまった人もいました。

果物、野菜、全粒穀物、脂肪分の少ないたんぱく質、無脂肪の乳製品などのヘルシーな食品は、脂質と糖質が詰まったヘルシーでない食品に比べて一口当たりのカロリーは低くくより満足感も得られます。たんぱく質や植物性食品に含まれる食物繊維や水分はお腹を満たすのに役立ちます。

ただ私たちの体は燃焼するよりもずっと多くのカロリーを取り込める容量を持っています。「ヘルシーな食品を食べている限り量は気にしなくても良い」とは思わないでください。果物であっても食べて良い量の限度はあります。例えば実際にスイカを1/4個食べた場合、約350kcal摂取することになります。ファットフリーのグラノーラはヘルシーかもしれませんが、だからといってアメリカンフットボールのヘルメットのようなサイズのボウルの量を食べて良いわけではありません。カロリーに関していえば、体に良い物でも摂り過ぎには注意が必要です。

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スーザン・ボワーマン
ハーバライフ・ニュートリションの栄養トレーニングのディレクター。管理栄養士であり、スポーツ栄養学を専門とした有資格者。