お茶は様々な形で世界中で好まれ、毎日の生活や伝統に浸透しています。緑茶、紅茶、ハーブティーなどのお茶を飲むことは、味や香りでリラックスするだけでなく、身体の健康をサポートするフィトニュートリエント(植物栄養素)も摂ることができます。市場にはお茶にビタミンや機能性ハーブなどを添加したものもあり、フルーツ入りの緑茶やエネルギーサポート、就寝前用にブレンドされたものまで、様々な機能性のお茶を選ぶことができます。

一般的にビタミンC、E、最近では特にポリフェノールに抗酸化作用があることがよく知られており、ポリフェノールの仲間であるカテキンにも高い抗酸化作用が確認されています。このような抗酸化ビタミン類は緑茶に最も多く含まれ、ウーロン茶、さらには紅茶と発酵度が増すに従いその量は減少します。ビタミンEやβ-カロチンは脂溶性の抗酸化物質ですので、煎茶ではなく抹茶として飲むことで摂ることができます。

また、紅茶に含まれる成分が脳卒中のリスクを減らすという研究結果も発表されています。カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者は、4,378例の脳卒中症例を含む、合計195,000人を対象とした9つの研究の証拠に基づくレビューを行いました。データによると、3杯の紅茶を飲むと脳卒中のリスクが21%減少しました。研究者らは、茶の主要なカテキンであるEGCG(エピガロカテキンガレート)が寄与因子であると推測しました。

カモミールティーはリラクゼーションと安らかな睡眠をサポートします。カモミールの睡眠誘発効果は、脳の特定の受容体に結合して眠気を引き起こすフラボノイドアピゲニンに関係しています。カモミールには抗炎症作用があることも発表されています。オハイオ州クリーブランドにある大学病院Case Western Reserve大学の研究者は、カモミールティーの抗炎症効果を調べ、カモミールが非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)と同様の活性を示すことを発見しました。

ラベンダーエッセンシャルオイルがリラクゼーションと睡眠を促進するのと同じように、ラベンダーティーを飲むと心を落ち着かせる効果があります。メリーランド大学医療センターによると、ラベンダーティーの湯気を吸い込むと、神経系の活動が遅くなり、リラックスが促される可能性があります。伝承的な療法ですが、ラベンダーを使用して頭痛、神経障害、疲労をケアする場合もあります。眠りにつくことが苦手な場合は、寝る前にラベンダーティーを飲むと心が落ち着き穏やかな眠りをサポートしてくれます。

消化を助けたり、穏やかな鎮静効果のあるペパーミントティーもおすすめです。さわやかなペパーミントには、痰や粘液の流れをスムーズにする働きのあるメンソールが含まれています。呼吸器系の風邪をひいたときは湯気を吸いこみながら飲むとよいでしょう。

ショウガは薬味や調味料として役立つだけでなく、胃腸の働きもサポートしてくれます。その他、心臓の健康に役立つ高レベルの抗酸化物質が含まれていたり、関節炎のこわばりを和らげるのを助けるかもしれない痛み感受性の受容器を和らげる可能性も示唆されていたりします。

緑茶、紅茶、ハーブティーなど、さまざまな特性のあるお茶が世界で楽しまれています。お茶を準備する儀式もいろいろな文化圏で伝承されています。暖かいお茶を入れて一日の終わりにリラックスする方法は、ヘルシーに水分を補給するのに最適な方法です。

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スーザン・ボワーマン
ハーバライフの栄養トレーニングのディレクター。管理栄養士であり、スポーツ栄養学を専門とした有資格者。