アメリカで初めて冷凍食品が作られたのは1940年代、当初は機内食として作られていて、家庭用の食事タイプの冷凍食品が普及されたのは数十年も後のことです。電子レンジが一般家庭に普及し始めたのがそれからさらに30年ほども後のことですが、1950年代頃に出ていたアルミホイルで包まれた“TVディナー”は便利と言えるものではありませんでした。完成するまでにオーブンで30分も温める必要があったのです。

1980年代中頃には一般家庭に電子レンジが普及、電子レンジ対応容器の発明が世の中を劇的に変化させ、実質数分で食事が完成するようになりました。冷凍食品には便利さと栄養価の両方が求められ、現在ではそれが叶うようになってきました。そしてさらにより良い原材料や、たんぱく質量、減塩、良質な脂質も求められるようになってきています。便利で身体に良い冷凍食品も販売されていますが、そうではないものもあるため、きちんと見分ける必要があります。

冷凍食品のメリットとデメリット
メリットはまずサイズとカロリーです。もしあなたが減量中でカロリー計算をしているとしたら、冷凍食品を使うこと通常の食事で行っていたサイズや重さを量る行程を省くことができます。また、手軽さも大きなメリットの一つです。ほとんどの冷凍食品は数分で温めることができ、面倒な食事の準備をすることなくすぐに食べることができます。種類も豊富なので、毎日取り入れても飽きることはないでしょう。デメリットとしては多くの冷凍食品には塩分が多く含まれていたり、保存料等の普段の食事には入れないものが含まれていたりする場合があるので注意が必要です。

冷凍食品を選ぶ時の注意点
健康的な冷凍食品を選ぶには食品表示ラベルをよく確認することが大切です。ベストな選択のためのガイドラインをご紹介します。
  • カロリー:ニーズに合わせて選びましょう。1食分350~500kcalが目安です。減量している場合、カロリーが低いものを選びがちですが、低すぎても満腹感を得られず後でお菓子に手を出してしまう原因になります。
  • たんぱく質:たんぱく質は満腹感を持続させてくれますので、多く含まれているほど良いです。最低でも1食あたり15g、理想的にはそれ以上のたんぱく質量が含まれているものを選ぶようにしましょう。
  • 塩分:減塩の冷凍食品も多くなってきています。1食あたり3g以下の塩分量のものを選びましょう。
  • 食物繊維:冷凍食品にはあまり全粒粉や野菜といった食物繊維が含まれていないことが多いですが、念のために確認することは無駄ではありません。1食あたり4~5g含まれていれば良しとしましょう。
  • 脂質:1食分に含まれる脂質はカロリーに対して30%以下、100kcalに対して脂質が3g以下になることを目安にしましょう。
  • パッケージラベル:“ベジタリアン”や“オーガニック”、“グルテンフリー”などと表示が付いていると、つい低カロリーで身体に良さそうと思いがちですが、その保証はありません。パッケージの食品表示と原材料を見て、どのような食品なのかしっかり把握してから購入するようにしましょう。

冷凍食品をより美味しく食べる方法
栄養バランスを補うために、サラダや野菜スープを付けると良いでしょう。品数を増やすことで食べる速度を緩やかにすることもできます。また、プラスチック容器のままではなくお皿に移し替えましょう。 皿洗いをする必要はありますが、手作り感が増して、より一層食事を楽しむことができるでしょう。

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スーザン・ボワーマン
ハーバライフ・ニュートリションの栄養トレーニングのディレクター。管理栄養士であり、スポーツ栄養学を専門とした有資格者。