健康的な暮らしでは科学が様々な役割を担っていますが、中でも注目されているのは年をとっても健康的で、活き活きと自立した生活を保つためには筋肉を維持することがとても大切だということです。十分な筋肉があれば年をとっても動き回ることができ、バランス感覚を保てれば転びにくくもなります。また筋肉はカロリーを消費するための体型をキープすることにも重要です。

筋肉を維持できないと、体力も弱くなり持久力もなくなり、運動量も減る傾向があります。筋肉が減ると消費できるカロリーも減り、同時にあまり体を動かさなくなるため体重増加につながります。

年と共に筋肉が減るはっきりとした理由はまだ科学者でもわかっていません。30~40代になると毎年約125gずつ筋肉が落ちていくと言われていますが、遺伝や運動量、日々の食生活なども関わってきます。遺伝子は変えられないため、筋力低下を防ぐには筋力トレーニングと日頃から十分なたんぱく質を摂ることが必要です。

筋肉を維持したり増やすには、筋力トレーニングが有効です。60代、70代、それ以上の年齢でも、筋肉を増やしたり強くするだけではなく、体にパワーを付けることができます。パワーとは普段の生活の中での動きに使うものです。例えば、車から降りる動作だったり椅子から立ち上がる動作です。パワーがあれば瓶のふたを簡単に空けることができ、階段から落ちそうになった時にもそれを回避するためにパワーが必要です。筋力トレーニングのもう一つの利点は骨密度を保つことができることです。週に2回は体全体を動かすトレーニングを行うと良いでしょう。

また、十分なたんぱく質を摂る必要もあります。総摂取量も重要ですが、1日を通してバランス良く摂取した方がより吸収が良いことがわかっています。よく間違われている悪い例は、朝食でほとんどたんぱく質を摂らず、ランチで少量、夕食でたくさん摂取するパターンです。年齢の高い人は一食あたり約20gのたんぱく質を摂ることで、たんぱく質合成が促進されると言われているため、一食あたり20~30gのたんぱく質を摂ることが推奨されています。1) 半身の胸肉と魚一切れ、または無脂肪カッテージチーズ1カップほどです。

適切な食生活と運動を日頃から行い、健康的に年を重ねていきましょう。

1) Symons et al. J Am Diet Assn 109:1582, 2009

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スーザン・ボワーマン
ハーバライフ・ニュートリションの栄養トレーニングのディレクター。管理栄養士であり、スポーツ栄養学を専門とした有資格者。