運動後の飲食は燃料補給だけでなく、次の運動のための身体づくりにも重要です。ハードな運動をするアスリートなどの場合は、運動後に何を口にするかで総合的なパフォーマンスにも大きな差が出てきます。ウォーキングや軽く泳ぐ程度の場合は、普段のバランスの取れた健康的な食事や間食に気を付けることで十分ですが、水分補給を忘れないようにしましょう。

運動後の食事
激しい運動の後には体内のエネルギーは燃焼し尽きています。筋肉の主なエネルギーとして炭水化物が使われるため、運動後は適切に補給する必要がありますが、推奨されている量は体重1kgあたり1.4gで体重が75kgの人なら約100gの炭水化物が必要となります。果物、全粒粉、乳製品などのヘルシーな炭水化物が運動後の軽い食事としては良いでしょう。また、運動後は筋肉の回復と生成にたんぱく質も必要ですが、多くは必要ではなく約10gが適量です。ヘルシーな炭水化物とたんぱく質の組み合わせとして、全粒粉パンのサンドイッチ、ヨーグルト&果物、ミルクと果物を入れたプロテインシェイクなどがおすすめです。

運動後の飲み物
水分補給には水を飲むのが良いですが、運動後は水分とともに塩分も補給しましょう。運動時にはナトリウムやカリウムが汗と一緒に体外へ排出されるため、それらを補給する必要があります。 スポーツドリンクは水分と炭水化物だけではなく、発汗時に失った塩分を補うこともでき、少量のたんぱく質が入っているものもあります。また、果物の種類にもよりますがフルーツジュースを飲むことでも水分、炭水化物、カリウムを摂ることができます。

食事のタイミング
運動後の筋肉は体内に入ってくる栄養素に対してとても敏感になっています。アミノ酸を細胞に運ぶ役割のホルモン、インスリンの分泌によって筋肉が敏感になるのは運動直後の約30~45分間ですので、できるだけこの間に炭水化物やたんぱく質を摂るようにすると良いでしょう。この期間は、インスリンは「筋グリコーゲン」と呼ばれる形で、筋肉内に貯蔵されており炭水化物を細胞に運ぶ役割も担っています。この筋グリコーゲンが十分筋肉に貯蔵されていれば、運動時に十分なパフォーマンスが発揮できます。一度、この貯蔵庫にエンジンがかかれば、2時間おきに炭水化物を補給しながら最大8時間ほど持続的に運動をすることができるといわれてます。

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スーザン・ボワーマン
ハーバライフ・ニュートリションの栄養トレーニングのディレクター。管理栄養士であり、スポーツ栄養学を専門とした有資格者。