先日しばらく会っていなかった友人に会いました。昔は少し太っていたのですが、今は10kg近く体重を落として痩せていました。その理由をを訪ねたところ「17時以降は炭水化物を食べないようにしている」という答えが返ってきました。

私は普段は友人に栄養に関するアドバイスはしませんし、その人が自分なりに見つけた食生活の改善方法を台無しにしたいわけではありません。ですがこのような状況に出くわすと「体に良い果物や野菜を抜いていないわよね」や「いつ炭水化物を抜くかよりも、総摂取量を減らしていることに意味があるのよ」とどうしても言いたくなってしまいます。

どのような炭水化物をカットするか
炭水化物でカットすべきなのは、果物や野菜などのヘルシーな炭水化物ではなく、お米、パン、パスタ、じゃがいもなどの”でんぷん質”の炭水化物です。炭水化物カットが主にうまくいくのは”食事ルール”として取り組めるためです。例えば”デザートは週に1回しか食べない”や”食事や間食では必ずたんぱく質を摂る”などと同じようなものです。夜に炭水化物を食べたからといって日中の時間帯よりも太るようなことはありません。以前は夕食に摂っていたものを摂らなくするというだけの違いです。夕食で(または他の時間帯でも)お米やパスタやベークドポテトをカットすれば簡単にカロリーを抑えられます。それこそが炭水化物カットが有効な理由です。

ある特定の食べ物を一緒に摂ると(例えばたんぱく質と炭水化物など)消化できないという、昔からあるフードコンバイニングの方法と少し似ています。この考え方を取り入れるとほぼ自動的にカロリーを抑えられます。例えば朝食に卵とトーストと果物を一緒に食べることができなくなり、卵だけかトーストと果物だけかに選択が絞られます。フードコンバイニングの考え方は何も魔法のようなものではなく、結果的に食べる物を減らしているだけなのです。

炭水化物をカットするときのバランス
炭水化物カットが多くの人に有効なのは、一般的に夕食が食事の量としては一番多い傾向にあるためです。夕食ででんぷん質の炭水化物をカットすると(夕食よりも量が少ない)日中の食事よりもカロリーを抑えやすくなります。そうしたでんぷん質の炭水化物の代わりに野菜を摂ればさらにカロリーを抑えられるでしょう。

結局のところ、フードコンバイニングも炭水化物カットもカロリー摂取を抑えるのを助ける方法なのです。ただのトリックだとしても、右手の代わりに左手を使ったり、1日1色の食べ物に限定したり(私の知り合いが試していましたが青色で断念しました)、食べる量を減らす方法は何でもいいと思いますが、バランスの取れた食事で必要な栄養を摂ることだけは忘れないでください。

時間帯や炭水化物かどうかに関わらず、適切な量よりも多く食べたら体重は減りません。炭水化物カットが効かないという人は、たいてい夕食の物足りなさを補うために他の食事で炭水化物を摂り過ぎてしまっているのが原因でしょう。

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スーザン・ボワーマン
ハーバライフ・ニュートリションの栄養トレーニングのディレクター。管理栄養士であり、スポーツ栄養学を専門とした有資格者。